豆知識       


                 食肉に関する豆知識をご紹介します           クナンバ-

羊 肉

もともと羊は世界で広く食べられている食肉で,意外かも知れませんが牛や豚よりもたくさんの人に食べられているのです。イスラム教やヒンズー教など,世界の宗教では牛や豚を食べることを禁じたものが少なくないのですが,羊はどの宗教でも食べることを禁じられていません。そんなわけで,羊は古くから中国〜中東にかけての広い地域で飼育され,食用とされてきました。トルコやアフガンなどは羊を使った料理が有名ですし,フランス料理でも羊肉は高級な食材のひとつです。 しかしながら,ジンギスカンという料理名は世界中どこにも見あたりません。そもそもは中国料理「コウヤンロウ(鍋羊肉)」がジンギスカンのルーツであろうともいわれています。それをベースに日本人が食べやすいような工夫をし,さらに分かりやすいネーミングを施して今のジンギスカン料理が出来上がったのではないと思います。

 

 羊自体が日本で食べられ始めたのは大正時代のようです。大正時代に満州に進出していった日本人が,現地の人たちが羊を焼いたり煮たりして食べるのを見て,それを日本に持ち帰ってきたのでしょう。昭和に入り,農林省が国産奨励として全国的に羊肉料理講習会と羊肉の廉売を開催しています。これは,軍服用などに広く綿羊の飼育が奨励されたもので,飼育の結果発生する老いた羊の肉を食料として活用しようという政策だったのでしょう。日本におけるジンギスカン料理の誕生はおそらくこの頃ではないかと思われます。意外とジンギスカンの歴史は浅かったことになります。


北海道では昭和7年に北海道庁種羊場が発足し,緬羊の普及事業とともに農村への羊肉利用方法の浸透のためにジンギスカン料理が一役買ったようです。同じ頃,長野の信州新町でも緬羊の飼育と共に料理講習会が開かれ,当地でジンギスカン料理が広まったという資料もあります。北海道に関していえば,羊肉が手に入りやすかったことと,タマネギをはじめとして北海道の野菜が食べ合わせに手頃だったことなどで広まり,定着していったと思います。
北海道緬羊史には興味深い史実が記されています。昭和11年にジンギスカン鍋料理の試食会が札幌市の狸小路6丁目にあった焼き鳥とおでんの店「横綱」で行われたそうです。肉と鍋は種羊場から持参し,費用は道庁持ちで行われたようです。しかし,羊肉やニンニクの臭いに閉口したというのが,本当の様子だったようです。それでも,この「横綱」は工夫しながら昭和18年まで営業したとあります。戦時中は休んだものの,戦後の昭和26年から娘さんが引き続き開店したそうです。その後,昭和44年まで続けたとのことです。

ジンギスカン専門店として最古のルーツを誇るのは,実は北海道ではなく,東京でした。大正時代からの農林省の指定羊肉商であった松井氏が昭和10年に「成吉思荘」という店舗を設けたのがはじめのようです。この店は東高円寺にありましたが,現在は残念ながら閉店してしてしまい残っていません。もっとも,一般大衆に普及したのは昭和20年代の後半からで,北海道でもこの頃からジンギスカン料理が一般的になってきました。

 昭和30年代に入り「ジンギスカン」がブームになり,全国でも百万頭以上の緬羊がいたという記録があります。しかし,豚肉,牛肉の普及によりその数は下降線をたどり,昭和50年代を機に特用家畜扱いになるまでに激減しました。今はわずかに復調傾向にあるものの,消費羊肉の殆どはニュージーランド,オーストラリアからの輸入ものです。北海道内のジンギスカン専門店さえ輸入羊肉を使うケースがほとんどです。

朝廷から追われた源義経が奥州から北海道へ逃げ,さらに中国大陸に渡って蒙古の武将チンギス・ハーンになったとする説はいろいろなところで論じられています。その真偽のほどは分かりませんが,そのチンギス・ハーンが食した料理が「ジンギスカン」であるとする説もジンギスカン登場の当初から語られていたようです。昭和14年当時の緬羊関係の資料にも「蒙古の一大英雄成吉思汗が松樹の薪火にあたり,羊の肉を焼いてこれを食した」とあります。この記載の中では炭火の中に青松葉を時折入れよとありますが,これは松の香りで臭い消しの意味があったのでしょうか。ともかく,ジンギスカン=チンギス・ハーン=義経の図式は今に残り,成吉思汗料理という漢字名などにあらわれています。「チンギスーハン」から文字って、満州国初代総務長官・駒井徳三が名付けたものだと言われています。

                                          

羊は全世界のあらゆる地域に順応した形で現在1000を越える品種があります。主な品種としてはサフォーク、サウスダウン、ロムニー・マーシュ、フィニッシュ・ランドレース、ポールドーセット等があります。

「乳飲み子羊」-----「生後4ヶ月迄の親の羊の乳を飲んでいる子羊。草を飼料とするまえで肉質は最も柔らかい」
「ラム」-----「乳離れしてから生後1年未満の子羊。肉色は淡い赤で、最も美味とされています」
「ホゲット」-----「オーストラリアやニュージーランドでは流通しているようですが、日本ではマトンとして流通して    いるようです」
「マトン」------「生後2年から7年位までの成長した羊で、独特の風味があります。肉質はやや堅め」

もっとも,この分類の仕方は国によって違いがあり,下顎の永久歯の数で見分けたり,腕の関節の発育具合で見分ける国もあるそうです。また,ヨーロッパではさらにくわしく分けられており,若い順からホットハウス,スプリング,ラム,イヤリング,マトンの5種類に分類されているといいます。



「ラム肉 羊肉」は世界で一番食されている食肉です。
食用としては牛肉豚肉よりも全世界的に飼育されています。 マトンの各国の美味しい料理で世界をつないでいきますと、アジアからヨーロッパまでラム肉、マトン街道ができてしまいます。では、日本はいかがでしょうか?ラム肉とマトンの需要は、日本でも根強いものがあります。食肉があまり普及しなかった(価格的にも)時期に、北海道を中心としてジンギスカン料理が出来上がりました。

ジンギスカンにはいろいろルーツがありますが、いまや日本の代表的なラム肉 羊肉料理と言えばもう、ジンギスカンです。マトンの脂身には特有の強い香り(フレーバー)があります。羊をよく食べる国はマトン肉をよく好みますし、このフレーバーを好みます。ラム肉は香りが薄くマトンの料理には、やはりマトンのフレーバーと旨味が欠かせません。ラム肉(仔羊肉)は、フランス料理やイタリア料理では欠かす事の出来ない食肉です。そして高級肉として、ヨーロッパなどでは特に親しまれています。
 牛肉も子牛の肉が貴重とされるように,ラムは柔らかくクセがない肉として人気があります。生産者としては飼育期間が短くて需要が多いわけですから,コスト的に有利な子羊のうちに出荷することになります。


 一方マトンは肉質が固く,臭いというイメージが一般的ですが,これは誤った認識のようです。というのも,冷凍のマトンは鮮度管理が非常に難しく,ちょっと鮮度が落ちただけで強い臭いが出てしまう傾向があるのです。その臭みのもとはカプリル酸,ペラルゴン酸,アルファメチル酸といわれています。料理研究家の中にも,マトンの脂は臭いので取り除いて調理するようにという人もいるそうですが,かつての冷凍技術が未熟な時代に流通していた冷凍マトンが,そのような認識を一般的にしてしまったのでしょう。現在は冷凍技術の発達にともなって本来のマトンのうまみを味わえるようになっています。これは好みにもよりますが,ジンギスカンにした場合,上質なラムだとクセがなさすぎて味に深みがなく,昔からよく食べている人にとっては物足りなささえ感じます。


 羊肉ではよくなまラムという言葉を耳にしますが,生肉と冷凍肉ではどう違うのでしょうか。まず生肉は冷凍されたものにくらべみずみずしく,柔らかさを保っているため貴重とされます。冷凍されたものはどうしても凍結時に細胞内の水分が結晶化して細胞膜を壊し,その水分が解凍時に出てしまうのでぱさぱさして固くなりがちです。また,においをはじめとするクセも強くなってしまいます。もっとも,クセに関してはうまみの一種なので,むしろ冷凍肉の方が好きだという人もいます。焼く時にも冷凍肉のほうが焦げずに上手に焼けるという利点もあります。
肉類の中でも羊肉は脂質の代謝を促進し、効率よく体脂肪を燃焼させ、コレステロールの増加を抑制するカルニチンを豊富に含みます。他の食品に比べ、最も多く含まれるのが羊肉なのです。つまり日常の食事にも効果的に羊肉を取り入れることでダイエットや体重コントロールだけでなく生活習慣病の予防にも大いに役立つということです。

生肉は冷蔵されている間に熟成しておいしいお肉になります。摂氏3〜5度におかれた肉は,中の酵素が繊維を分解してうまみ成分を増やしていくのですが,これが熟成です。温度が高ければ腐敗し,低ければ熟成は進みません。また,いったん冷凍すると熟成はストップし,解凍してからは再び熟成をはじめることはありません。肉によって熟成の日数が違い,鶏は24時間,豚は1週間,牛は3週間,そして羊は10〜15日ということです。この熟成をきちんと行っているかどうかも肉のおいしさに大きな影響を与えるわけです。こればかりは消費者が入手する以前の過程なので,信頼できるお肉屋さんから肉を調達することが大切といえます。ただ,熟成した肉とそうでない肉の見分け方は割と単純で,熟成していない肉は赤身が透き通っています。熟成が進むにつれて透明感がなくなってきます。


              


 

 ジンギスカンのおいしい食べ方

 ジンギスカン鍋をあつあつにする。肉片をちょっとだけのせてみて「ジュ」と音がしたら、ほどよく熱くなった状態です

まず最初に、鍋の溝にもやしを敷きつめる。ジンギスカン鍋の真ん中の山になっているところに鍋が見えなくなるぐらいにお肉をどさっとのせる。肉の焼き汁がでたところに、もやし、玉ねぎ、ピ−マン、人参、キャベツなどのお好みの野菜をたっぷりと入れ込む。この方法で焼くと焦げつかないし、煙くならないので食べやすい。

お肉は、軽く表面が焼けた状態で食べるのがベスト。半焼きがうまいのです。それでさらに食べ続けるわけですが、焼けた肉を鍋の縁に寄せておき、新たに肉をのせ、野菜を回りに敷きつめる。常に最初の鍋の状態をキープしながらどうぞ。それでも焦げそうになったら、風向きに気をつけながら、火加減の調整をしてください。またうどんやラ−メンを加えて焼きうどん、焼きラ−メンもお楽しみください。








     羊肉の部位



ラムの枝肉は、前方からショルダー(肩)、肩甲骨から第13肋骨までの上部のラック、そこから腸骨上端部までのショートロイン、それらの下の胸肉とフランク、最後がレッグ(脚肉)と分けられます。
ショルダー
おもに肩を中心に、ネック(頸)とシャンク(すね)がついています。ローストや焼き肉に向きます。良く運動する部位なので、味は良いです。価格が安いのに味は良いのでたいへん重宝な部位です。はっきり言ってお薦めです。
ロングロイン
牛肉でいうロースにあたる背中の部分。ラックとショートロインをあわせてロングロインといいます。骨付きのままでローストやステーキにして食べたり、串焼き、焼き肉、しゃぶしゃぶなどに使われます。
胸肉とフランク
胸肉はスペアリブローストや煮込みにします。腹部のばら肉は脂肪分が多いので、煮込み用、加工用です。
レッグ
腰から脚にかけての部分の肉で、コクがあります。骨付きのまま丸ごとローストし、パーティなどで切り取りながら食べるのに手頃で、調理の際には焼き過ぎないように注意すると美味しく食べられます。


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